垂れ流し日記

その日に起きた出来事の感想をそのまま書く垂れ流し日記

サガンが居なくてもツールは続く

ツール・ド・フランス2017もはや、7ステージが終わりました。

200kmを超える平坦ステージが多く、どうしてもゴール前までは退屈な展開が多いですが、スプリンター達にとっては山岳ステージが始まる前の稼ぎどころなので緊張の続く一週間だったことでしょう。

そんな緊張感がピークになるのがゴール前。

いい位置をとるために身体がぶつかることなど当たり前。ヘッドバッドを繰り出す選手とかもかつてはいました。(ブアニは今もするかも)

それが不運な形になったのが、ステージ4のマーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ)の落車。

結果的に加害者とされるペーター・サガン(ボーラ)とカヴェンディッシュが揃ってツールを去ることに。

あちこちで色々な検証をしてみたりアンケートをとったりして激しい議論が巻き起こっています。

個人的には、結果的にサガンの肘が出てしまっているので、失格は仕方ないですね。その前の中間スプリントでも同じようなことがあったそうですし。”除外”という厳しい裁定は累積ペナルティということかもしれません。無意識のうちに肘が出てしまう選手なんて危なくて仕方ないでしょう。

アンケートをとると、「レース除外は不当」という結果が圧倒的ですが、仮に被害者が逆だったらどうなっていたのでしょう。

カヴェンディッシュが肘を出し、サガンが落車していたら?または、ブアニが肘を出し、サガンが落車していたら?

その場合、アンケートは圧倒的に「UCIの判断は妥当」になったと思っています。

相撲でもあります。稀勢の里横綱昇進は歓迎されていますが、モンゴル人だったら昇進していなかったでしょうし、照ノ富士vs琴奨菊の立合い変化も、琴奨菊が変化していたら非難されなかったでしょうし。

要は人気投票みたいなものです。

 

この落車騒動の割りを食ったのが、ステージ勝者アルノー・デマール(FDJ)

ツール・ド・フランスなのにフランス人選手によるステージ優勝がない!」と終盤戦までハラハラさせるのが毎年の通例になっていましたが、今年はフランスジャージでステージ勝利という最高の結果を出したのに、印象が薄くなったのは否めません。

しかし、デマールも斜行したとブアニに抗議されていました。その印象も薄くなったのでプラマイゼロかもしれません。

本来まっすぐ走ればこんな事もないのでしょうけどね。

競馬の世界では「強い馬は真っ直ぐ走る」と言われます。かのディープインパクトがそうだったように。ツールに出場しているスプリンターは超一流揃いなので、本来は真っ直ぐ走れるはずです。なので、意識的に斜行しているのでしょう。

 

「強いものは真っ直ぐ走れる」。

それを証明したのがマルセル・キッテルクイックステップ・フロアーズ)。

この「危険なゴール前スプリントは当たり前」という風潮に疑問を感じていたのでしょう。「風よけを使わないというマイナス面」と「スムーズなスプリントで全力を出し尽くすプラス面」を検討した結果、後者を選びました。”自チームの信頼できるトレイン以外は乗らない”という、潔い選択がステージ6・7の連勝に繋がったのだと思います。まさに王者のスプリント。良いものを見せてもらいました。

ただ、キッテルだからできる芸当なのかもしれませんが。

 

この結果、キッテルがグリーンを着ることに。

サガンの6連覇が濃厚と思われていた、このグリーンジャージ争いはこのさきどうなるのでしょう。

現時点のTOPはキッテル、2位がデマール、3位がマイケル・マシューズ(サンウェブ)

この3者はアプローチが異なります。

キッテルは、「ゴールポイントが大きいので中間ポイントは無理をしない」という方針。平坦ステージなら常に勝利できるという自信がある王者の戦法です。

デマールは、「ゴールポイントも中間ポイントも全て欲しい」という欲しがりやさん。

体力が無尽蔵にあるのであれば、この戦法は正しいですが、ステージ7では両方に絡んで来ていませんでした。もしかしたら少し疲れているのかも。

マシューズは、「今は我慢」という戦法。ピュアスプリントでは分が悪いので、1週目のようなピュアスプリンター向きのステージでは、リスクを負って攻めるのではなく、安全を確保しながらなるべく前でゴールするという形です。来るべき自分向きのステージで大量ポイント差を稼ごうという企み。やや消極的にも感じますが、それでも3位につけているので、これから2週目でマシューズ向きのステージが来ると逆転も可能かもしれません。

 

この3人の何れかがグリーンジャージを争うと思われますが、伏兵が現れました。

それは、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ディメンションデータ)

カヴェンディッシュがリタイアしたことで、サブエースからエースに昇格。とはいえ、単純に序列が一つ上がったというだけでないのがポイントです。

ディメンションデータはプロチームではありますが、年間を通して見た場合、それほど活躍しているチームではありません。去年はツールでのカヴェンディッシュの活躍だけしか目立った成績がなく、プロチーム降格の危機にありました。それは今年も同じ。しかもカヴェンディッシュは落車の怪我で長期離脱確定。

ということは、チームの明暗がボアッソンハーゲンに託されたことになります。

それを本人も感じたのか、ステージ6で無謀な程の早駆けスプリント。ステージ7ではキッテルと6mm差の2位。勝っていたと思いましたが。ピュアスプリントでは明らかに分が悪いため大健闘と言っていいでしょう。さらにカヴェンディッシュには無い、”ある程度登れる”という武器もあります。これからのステージではその武器を使ってポイント差を詰めていけるかもしれません。

 

長らく着ていたノルウェージャージを今年は手放し、久しぶりにチームジャージを着用していますが、グリーンに着替える日が来るかもしれません。そして秋には母国開催のアルカンシェルに。そこまでがボアッソンハーゲンの野望なのでしょう。

そして、そのための準備をしていたからこそ、代役でもすぐに結果が出せたのでしょう。責任を負うことで化ける例が数多くあります。カヴェンディッシュに隠れて爪を研いでいたボアッソンハーゲンがどこまでできるか、要注目です。

 

「去る人あれば来る人あり」とはよく言ったもので、ディメンションデータはボアッソンハーゲンで勝負するでしょう。ではサガンの代わりは?

今のところ目立った選手は居ないが、そのうち出てくるかもしれない。浪花節的な流れで言えば、ユライ・サガンに期待するのだが。。

 

既にクリス・フルーム(スカイ)がイエローを着ているが、今週末から総合争いも本格化します。来週も楽しみな一週間になりそうです。